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魂に効く絵本 --平穏に暮らすことの尊さを考える --

メルマガ、”魂に効く絵本 ~絵本は恋に似ている~”
記念すべき第二号のテーマは、時節柄、
「平穏に暮らすことの尊さを考える ~一瞬一瞬を大切に~」
にしたいと思います。


なぜ時節柄かというと、

1月17日はあの阪神淡路大震災から10年目の記念日だから。


そしてもちろん、スマトラ沖地震の記憶もまだ生々しいから。



取り上げようと思っている絵本は、

『せかいいち うつくしい ぼくの村』

 ☆もし読み聞かせに使うならば組み合わせたい本
『わたしのせいじゃない --せきにんについて-- 』

ご紹介いたします。


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● 『せかいいち うつくしい ぼくの村』

 小林 豊、ポプラ社

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     ~~あらすじ~~


 アフガニスタンの小さな村、パグマン村は、
 おいしいくだものがなる自然豊かな美しい村です。

 パグマン村に住む小さい男の子、ヤモは
 生まれて初めて、
 まちの市でさくらんぼを売ることになりました。

 戦争に行っているお兄さんの代わりに、
 お父さんのお手伝いをするのです。

 不安でしょうがないヤモですが、
 なんとかさくらんぼもスモモも全部売れました。

 お父さんは「この子のおかげ」と言ってくれました。

 帰り、お父さんはそのお金を全部使って、
 真っ白い子羊を一匹買い求めました。


 ヤモはその子羊が嬉しく誇らしくてなりません。



 村の人がみんな羊を見ているよ! 

 早く兄さんにもこの羊を見せたいな!


   この としの ふゆ、

   村は せんそうで はかいされ、

   いまは もう ありません。(p39より)



 作者が実際に訪れたアフガニスタンの村をモデルにしたお話。


  その村で、わたしは、ヤモのような小さい子どもたち、
  おとうさんのような誠実なひとたちと知り合い、
  友だちになりました。

  けれども村は、
  そののち、パグマン村とおなじように爆撃をうけ、
  破壊されました。

  なつかしいひとびとが、いまどこにるのかはわかりません。

                (作者によるあとがきより)



      ':・:*:. ☆ .:*:・:'



全39ページ中、38ページまでが、
ヤモの目から見た、穏やかで美しいある初夏の日が描かれる。

生まれて初めての町の市で、
おとうさんとは二手に分かれ、
ロバのポンパーだけを相棒に
ひとりでさくらんぼを売るという小さな試練。

そしてそれを無事乗越え、
お父さんからも認められ、
その売り上げで
家族にとって初めての羊も手に入れることができた。


小さな男の子が、

両親に温かく見守られながら小さな試練に挑み、

少し成長する、ささやかな日常の一ページ。



アフガニスタン版「はじめてのおつかい」だ。



38ページめ、無事家に帰り着いたヤモは、
子羊に、”春”という意味の「バハール」という名前をつける。

兄さんも春には戦争から帰ってくることになっている。

まさに春は未来への希望の象徴なのだ。




  そして最後のページ。




  不吉な黄土色一色に塗りつぶされたページに、


   ただ



   この としの ふゆ、

   村は せんそうで はかいされ、

   いまは もう ありません。



 この文字がならぶ。




      ':・:*:. ☆ .:*:・:'




 コ・ピーピーの何もかもが気に入って、私達は何日もそこに滞在した。
 毎日が幸せで、楽しくて、癒された。
 リゾートってこういう事を言うんだと思った。
 天国みたいな場所って、こんな場所の事を言うんだなと思った。
 私はそれまで、知らなかった。
 これを知れて本当に良かったと思った。
 日本でいる友達にも、こんなリゾートを味合わせてあげたいと思った。
 必ずもう一度来ようと思った。


 で、それらはいったいどうなっちゃったんだろう。
 あの大きな津波は、あれを全部どうしちゃったんだろう。
 ピーピー島は二つのホテル以外は全て壊滅したとニュースで聞いた。


   じゃあ、あのバンガローは?

   その下でいた鶏達は?

   鶏と遊んでいた子供たちは?

   美味しい米を炊くオーナーは?

   気のいい息子は、どうなったんだろう。

   あの流木にもたれかかって海を見ていた女の人は?

   あの手の中にいた赤ちゃんは?



   楽天日記
『ひーよん@脱出中の日記』2005年01月10日

                       より引用 

      ':・:*:. ☆ .:*:・:'



 “赤ん坊を抱いて、ぬくぬくと布団にくるまって眠っていると、
  まるでそれが当たり前のことのように思えます。
  この幸せが、永遠に続くかのように思えます。
  でも、それはある日突然に覆されるものなのかもしれない。

  だからこそ一瞬は美しいし、尊い。
  だからこそ一日一日を大切にしなければならないんだって。”


 あの日、亡くなったたくさんの人に代わって、
 ほんの神様の気まぐれで運良く残された私たちが、精一杯生きること。


 それが先立った方々に対して、私たちができる唯一のこと。


 大自然の災害を前に、人間には何も為す術がありません。


 でもそこに何かのメッセージを感じ、
 気づきを得ることができれば、

 悲劇にもまた大きな意味が生まれるのではないでしょうか。


   だから私は、ずっと震災を忘れないでいたい。

   だから私は、いまの幸せに感謝しつづけたい。

   だから私は、いつも子どもたちを愛していたい。

   だから私は、一瞬を無駄にしないようにしたい。

   それをこれからの人生の、大きな宿題にしたいと思います。


 メルマガ『ママがハッピ~なら、子どももハッピ~
タオとアービーの実録!子育てコーチング』
   2005年01月09日
   -- タオ@神戸が、震災から10年経って思うこと。--
                       より抜粋

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      .:・:*:' ☆ ':*:・:.



本田健さんの小冊子、「きっと、よくなる!」に
死ぬときに一番後悔するのは、愛を引っ込めたことだ、
という言葉があった。


「愛を示せたのに、

 気恥ずかしさとか面倒くささで、

 愛を引っ込めたこと、

 それを私は一番悔やむでしょう」


本田健さん公式ホームページ参照 )


 一寸先が闇ならば、

   今この瞬間の光を大切に味わうしかない。


心を込めて 一瞬一瞬を 歩み続けること。

一歩ごとに味わい、感謝すること。



目の前の人を愛し、つながろうとすること。

受け入れようとすること。



それはきっと 世界平和へとつながっていくと 私は信じる。


天災は避けようがない。

でもその後、助け合えますように。


戦争は避けられるはず。

みんなが 愛を体現して 生きられますように。



「平穏な日常」に感謝すること。

生かされて、今日あることに感謝すること。

目の前に愛する人が居てくれることに感謝すること。

それは決して当然のことではないのだ。

奇跡として喜んで受け取るに値することのなのだ。



そして今、この地球上に、苦しんでいる人たちがいること。

そのことを、我がことのように思いやる 想像力。



  『せかいいち うつくしい ぼくの村』
   小林 豊、ポプラ社
   * 対象年齢:8歳くらいから



 ☆もし読み聞かせに使うならば組み合わせたい本

  『わたしのせいじゃない --せきにんについて-- 』
   レイフ・クリスチャンセン (文)、 岩崎書店
   * 対象年齢:8歳くらいから


 私のせいじゃない、私は見ていただけ、

 怖くて止められなかったけど、私のせいじゃない、

 私のせいじゃない、他の子が先に叩いた、

 私のせいじゃない、私だけじゃなくみんなも一緒に叩いた、
 
 私のせいじゃない、その子に原因やきっかけがあるんだ

                     ・・・etc



    「わたしのせいじゃない?」



 黒地に その言葉だけが印刷されたページのあと、もう言葉はありません。


 ただ、白黒の写真が続きます。


   トラックに轢かれてひしゃげた三輪車、

   目隠しされ銃を向けられる少年兵、

   核爆発のきのこ雲、

   骨と皮ばかりに痩せて泣き叫ぶ幼児・・・


 本当に私のせいではないんだろうか。



 何か 責任の一端は ないだろうか。

 何か 果たすべき義務が あるんじゃないだろうか。



 こんな私にも、

 悲しみや理不尽な苦しみを世界から減らすために

 何か できることはあるんじゃないだろうか。



 重い問いを投げかけて、答えは一切提示しない、そんな絵本。
by tamahomishio | 2005-01-17 01:16 | 魂に効く絵本
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