『秘密の花園』と『トムは真夜中の庭で』

前号で予告していたとおり、
“庭もの”古典的名作児童文学をご紹介いたします。
(絵本ではありません。ご了承ください。)

    『秘密の花園』(小学校高学年以上)
    『トムは真夜中の庭で』(小学校高学年以上)


                      メルマガ「魂に効く絵本」号外より

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● 『秘密の花園』
 フランシス・ホジソン バーネット 作   岩波少年文庫

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まずは 庭の再生=魂の再生として描いた古典的名作
『秘密の花園』をご紹介いたします。

ご存知、『小公女』『小公子』の作者でもあるバーネット女史の作品。

庭仕事の喜びが細やかにイキイキと描写され、
園芸好き、ガーデニング好きにもおすすめ。




    ~~あらすじ~~


インド駐在中のイギリス貴族の娘として生まれたメアリーは、
子どもなんてちっとも欲しくなかったキレイなお母さんにうとまれ、
遠ざけられて、召使に育てられます。

ある日、はやり病で両親も乳母も一度に喪い、
遠くイギリス本国の、
会ったことも無い親戚のうちに送られることになるメアリー。

今まで愛されたことのない少女はすっかり心を閉ざしており、
両親が死んでしまったことも悲しまず、
送られる先にも関心を示しません。

しかめっつらをして
「自分には関係がない」という頑なな態度を取り続けます。




そんな少女の心を優しくほぐすのは、イギリスのムーアの大自然。


  小首をかしげて自分の後をついてくるコマドリ。

  春の訪れ。

  戸外に満ちる 肥えた土の 湿っぽいにおい。

  ムーアのことならなんでも知っていて、
  どんな野生動物も手なづけてしまう
  村の自然児ディッコンとの交流。



ある日、メアリーはコマドリの導きで、
10年間封印されていた秘密の庭の入り口と、
その入り口の鍵をみつけました。


灰色のつるがすべてのものにからみ、
物音ひとつせず、まるで死んでいるかのような庭・・・



ディッコンの助けを借りつつ、メアリーは、
やはり両親の愛を知らない車椅子の少年コリンと共に、
その荒れ果た庭の再生に取り組みます。


  土を掘り、

  花の種をまき、

  苗を植え、

  雑草を抜き、

  バラの茂みの枝を払い・・・


誰の目からも隠されて、
荒れ果てるままに放置されていた庭が
見事な花園に再生したとき、奇跡は起こります・・・






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固く閉ざされて荒れ果てていた秘密の庭。


「ネグレクト」という虐待の被害児であり、
心を固く閉ざして何もかもを憎んでいたメアリー。

誕生と同時に母を亡くし、父からはかえりみられず、
体が弱く歩くこともできず、
ひとりぼっちで暗いお屋敷の一室に閉じこもって
全てに絶望して泣いていたコリン。



秘密の庭が この二人の魂の象徴であることは
議論の余地がないだろう。




その庭が、見事な花園に再生する。

       奇跡は起こったのだ・・・




いつだって、取り返しがつかない ということは、ないのだ。




  どれほど理不尽な境遇に苦しめられても

  もう二度と笑えないような気がしても

  どれほど損なわれても

  どれほど傷ついても


  人は立ち直る。



  春の来ない冬はない。

  生き続けている限り、いつでもよみがえるチャンスはある。

  いつでも、取り返せる。





植物が、水と光さえあれば
よみがえり、再生し、イキイキと生い茂ることができるように。

まるで 長い間投げ捨てられ荒れ果てていた庭でも
春が来れば 緑が萌えだすように。

愛情深く思慮深い人の手が加われば、
もう一度見事な庭園として
たくさんの花々を咲き誇らせることができるように。




人の心、魂は、常に成長しようとしている。
粘り強い復元力がある。



植物は、水と光さえあれば、常に天に向かって伸びていこうとする。


人の心、魂は、

どんな悲惨な状態からでも

傷を癒して

常に明るい方向を目指して成長しようとする。

誰かの温かい眼差しと支えさえあれば。




それは必ずしも肉親でなくていい。



温かい目で見つめてくれ、
ほんの少しの応援の手を差し伸べてくれる人。



貧しいディッコンのおっかさんが、
メアリーのために二ペンスで縄跳びを買って渡してくれたように。




貴族の娘メアリーは
自分のおこずかいで 何十本でも縄跳びを買えただろう。

でも、その心遣い、気遣い、思いやりこそが
メアリーには必要だったのだ。

わずか二ペンスの一本の縄跳びの紐。

それが、愛情深く思慮深い人の手で差し出された、
ということこそが重要なことだったのだ。

自分のことを気に掛けてくれていて、
心を込めたストロークをくれる存在がいる、という実感。




長い間投げ捨てられ荒れ果てていた庭でも
春の訪れと共に
愛情深く思慮深い人の手が加われば、
もう一度見事な庭園としてよみがえる。





  温かい周囲の大人たちの眼差しと 

  大自然の恵みが引き起こした、

  傷ついた魂の 再生と成長の奇跡を 

  格調高く描き出した感動の名作。





秘密の花園 (上) 岩波少年文庫 (2028)

秘密の花園 (下) 岩波少年文庫 (2029)

フランシス・ホジソン バーネット 作、  吉田 勝江 訳
小学校高学年以上向け




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☆『トムは真夜中の庭で』

弟のハシカをうつされないよう、
都会の親戚のアパートに預けられたトム。

子どものいない叔父さん夫婦との
庭もない狭いアパートでの毎日は、退屈で孤独なものだった。




毎日部屋の中で

「誰か遊ぶ相手はいないかなあ」

「どこか遊べる場所はないかなあ」

と切望する毎日。




その切なる願いが時空を超え、
二つの孤独な子どもの魂が、毎夜、触れ合う。


現実のこの世界にはもう存在しない、まぼろしの、庭で。





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子ども時代の豊かな思い出は、心の中で庭になる。



 憩いの場所。

 イキイキした感情の生まれる場所。

 生命力や活力のみなもと。

 潤いの沸き出でる泉。



大人になっても、老人になっても、

人はいつでも自分の奥底の“庭”へ帰ることができる。

アクセスできる。




そしてその“庭”の中でなら、
人と人は、年齢も性別も超えて、真に触れ合える。



魂が触れ合うのだ。






子どもはなぜ大切にされるべきなのか。

それは、子ども時代を豊かに幸福に過ごせば
豊かな“庭”を内面に持つことができるからだ。


豊かな“庭”を持つことは、人にとって、一生の財産になる。

これ以上ないほどの財産に。

“庭”が豊かな人ほど、
豊かで味わい深い人生を送ることが出来るのだ。



伸び伸びした子ども時代を過ごすことと、
魂の豊かさとの関連を静かに浮かび上がらせた傑作。






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しかし子ども時代が殺伐とした苦しいものであったとしても、
豊かな庭を内面に持つことは可能なのだ。


運命の過酷な仕打ちにもめげず、
自分の中の内なる王国、内なる庭園を守り通した少女の魂との、
時空を超えた出会いを描いたのが『トムは真夜中の庭で』。


ひどく傷つけられ、損なわれた子どもたちの
魂の再生を描いたのが『秘密の花園』。


淡々と生きてきた大人が、
無味乾燥な庭に潤いと華やぎを取り返す過程を描いたのが
『ルラルさんのにわ』。




魂の復元力に敬意を。

大自然の生命力に全幅の信頼を。



いつどんなときも、もうだめということはないのだ。


どれほど理不尽な境遇に苦しめられても

もう二度と笑えないような気がしても

どれほど損なわれても

どれほど傷ついても

人は立ち直る。

春の来ない冬はない。

明けない夜はない。


人の心、魂は、常に成長しようとしている。

粘り強い復元力がある。



植物が、水と光さえあれば、
不毛の地と見えていた場所から芽を吹き、天を目指すように。

人の心、魂も、
誰かの温かい眼差しと支えがあれば、
高みを目指して成長することができるのだ。






      ‘:・:*:. ☆ .:*:・:'






トムは真夜中の庭で 岩波少年文庫 (041)
フィリパ・ピアス 作   高杉 一郎 訳
小学校高学年以上向け





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by tamahomishio | 2005-03-19 15:26 | 魂に効く絵本
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