魂に効く絵本『おおきなきがほしい』

魂に効く絵本  ~絵本は恋に似ている~ 2005.6.1 第6号
 


      ':・:*:. ☆ .:*:・:'



もう初夏ですね。

青葉が目にまぶしい季節です。

木々の濃い緑陰が映える季節。


この季節にふさわしい絵本ということで、

「おおきな きが ほしい」を選んでみました(^^)




   ☆「大自然に抱きとめられながら
        一人で過ごす時間の大切さ」を語る絵本 ご紹介

    
    『おおきな きが ほしい』(5歳くらいから)

    『あな』(4歳くらいから)
    




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 ● 『おおきな きが ほしい』

  さとう さとる 作・ むらかみ つとむ 絵   偕成社

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     ~~あらすじ~~

 おおきな おおきな 木が あると いいな。

 うーーーんと太くて、

 もちろん かおるひとりで手をまわしたくらいでは

 抱えられないような、そんな太い木。



 そのおおきな木にはしごをかけ、どんどん登っていくと、

 途中にかおるの家があるのです。

 そこには小さな台所もあり、ちいさなベッドもあります。

 「ぼく、ホットケーキなら、ひとりで できるんだ。」



 妹のかよちゃんも連れてきてあげようかな。

 そのためには吊り篭を付けて、

 ハンドルを回すだけで あがってこれるようにしてあげよう。



 その家からもっと上、木のこずえ近くには見晴台があるのです。


 見晴台の近くにはリスの巣穴があり、小鳥たちがいます。。。。


 見晴台からは遥か遠くまで見渡せます。

 「ぼく、とりに なった みたいだ」



 もうすぐ夏です。

 夏になると、高い木の上のかおるの部屋は、

 さぞかし涼しいことでしょう。


 秋になると・・・




    かおるの空想はどんどん広がるのでした。







 そしてつぎの日曜日、

 おとうさんとかおるは本当に木を植えました。

 まてばしい という、とても大きくなる木だそうです。





  ライプチヒ国際図書デザイン展銅賞受賞。






      ‘:・:*:. ☆ .:*:・:'






自由な空想の翼にのって、自立を模索し始めた子どもの絵本。



おおきなおおきな木の上の、小さなかおるの小屋には、

大人は入れない。



でも、小さな妹なら連れてきてあげてもいい。

リスや小鳥になら木のウロを貸してあげてもいい。

妹、リス、小鳥・・・

病的な孤立ではない、同胞とのつながりを保った、あたたかな孤独。

弱いもの、小さいものへのいたわりも感じる。




おおきなおおきな木に育つ 苗を植えるということ。

それは、夢、希望の種をまくということ。


親が それにつきあってくれる喜び。


その苗は いつか大きく育つだろう。


  それは多分、自己。



  いずれ、時を経て 大きく育ち、

  人を受け入れ、共存し、高みから広々とした世界をながめる。



それは、自分のスペースを確立していく過程。

自己を確立していく過程。





この絵本で描かれるのは 個の崇高さ。

人はその内面世界を尊重されなければならない。


  子どもであろうと。


いや、これから自立していかねばならない 子どもだからこそ。




子どもの内面世界を尊重しよう。


子どもが庭の隅に植えた小さな種には、

それだけの 夢と希望とストーリーが 

こめられているかもしれないのだ。






      ‘:・:*:. ☆ .:*:・:'






ひとりの場所の大切さ。

ひとりでいる時間の大切さ。

スペースの確保の意味。


それらを静かに描き出す名作絵本。




なぜ子どもは、

机の下や部屋の隅、ベッドの下や大きめの段ボール箱の中などに

すぐにもぐりこみたがるんだろう。



なぜ子どもは、

性差に関係なく、

「ここは**ちゃんのおうち。++ちゃんはお客さんね」などと

言いたがるんだろう。


なぜ子どもは、一定の年齢に達すると必ず秘密基地を作るのだろう。





その答えは、人が自分自身になっていく過程での


  自分の中に埋没する時間の必要さ

  自分をひとりで見つめなおす体験の重要さ 


の中にあるのではないだろうか。





子どもが一人で静かにすごす時間を大切にしてあげよう。

それは決して、子どもを一人ぼっちで放置する ということではない。


おとなの 温かな配慮と視線の中 見守られているという安心感のもとで、

存分に一人の世界に浸らせてあげるということ。



見守られてひとりでいるときに、意味深い変容が起こる。

見守られている、という大きな安心感のもとでこそ、

「ひとりでいることのできる能力」は育まれる。

ひとりでいる能力を身に付けて、

はじめて人はその人自身になることができる。




おとなだって ひとりになろう。




 あなたはひとりの時間を大切にしていますか?

 あなたは自分自身を大切にしていますか?

 あなたは自分の本質とつながってますか?



できれば、無機質な場所よりも、

母なる大自然のふところに抱かれ、

見守られているという実感が得られる場所を探してみよう。

その場所で、のびのびと自分自身になってみよう。



  おおきな木のそばで。

  海辺で。

  山の中で。

  滝の傍で。





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『おおきな きが ほしい』
さとう さとる 作・ むらかみ つとむ 絵   
偕成社(およそ5歳くらいから)





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 ☆「大自然に抱きとめられながら
        一人で過ごす時間の大切さ」を語る絵本 
   もう一冊 ご紹介

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 ● 『あな』

  谷川 俊太郎 作・ 和田 誠 絵   福音館

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 にちようびの朝、なにもすることがなかったので、

 ひろしは あなをほりはじめた。

 おかあさんがきた。「なにやってるの?」

 ひろしはこたえた。「あな 掘ってるのさ」

 そういて あなをほりつづけた・・・

 ・・・

 おとうさんがきた。「なかなかいいあなができたな」

 ひろしはこたえた。「まあね」そうして あなにすわりつづけた。


 ・・・・

 あなの なかからみる そらは、

 いつもより もっとあおく もっとたかく おもえた。

 そのそらを いっぴきのちょうちょうが 

 ひらひらと よこぎっていった。


 ・・・・

 「これは ぼくの あなだ」 もういちどひろしはおもった。

 そうして ゆっくり あなを うめはじめた。


 (おわり)




     ‘:・:*:. ☆ .:*:・:'




ただ穴を掘り、その中にしばらく座り、そしてその穴を埋める。

それだけ。

それ以外になにも起こらない。

  なのに、1983年の発刊以来、20年以上のロングセラー。




読む人の胸を打つ真実が含まれているからこそだと思う。

読んでもらう 子どもの内面世界に響く 真理が含まれているからこそ。



  ひとりの場所の大切さ。

  ひとりでいる時間の大切さ。

  スペースの確保の意味。


それらを静かに描き出す名作絵本。



人が自分自身になっていく過程での

自分の中に埋没する時間の必要さ、

自分をひとりで見つめなおす体験の重要さ。



あなたも、

母なる大自然に見守られているという実感が得られる場所で、

のびのびと自分自身になってみよう。


  おおきな木のそばで。

  海辺で。

  山の中で。

  滝の傍で。


  大地にほった、深い穴の中で。

(これこそまさに、母なる大地のふところに抱かれて、

                 ってことですよね。)





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村上春樹の言葉に、

「井戸を掘って掘って掘っていくと、

そこでまったくつながるはずのない壁を越えてつながる、

というコミットメント」
(『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』p70)

というのを読んだことがあります。




「すべての大陸が海でつながっているように、

すべての人は感情でつながっている。」

(本田 健 講演会 での言葉)




表面的な違いをこえて 深く掘り下げていったとき、

私たちはメタスキル(感情)でつながれるのです。



そのためには、まず、存分に一人の世界に浸ること。

ひとりでいる能力を身に付けて、

はじめて 孤立からは無縁になれる。



ひとりでいる能力を身に付けて、

はじめて 

本来の自分自身として、

人と本当の意味でつながれるのではないでしょうか。


 逆説的ですが。




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『あな』
谷川 俊太郎 作・ 和田 誠 絵   
福音館
 * 読んであげるなら4歳くらいから

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参考文献

『子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)』
エリーズ ボールディング (著), 松岡 享子 (翻訳)
こぐま社

『孤独であるためのレッスン』 NHKブックス
諸富 祥彦 (著) 日本放送出版協会

『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』 新潮文庫
河合 隼雄 (著), 村上 春樹 (著) 文庫 (1998/12) 新潮社

『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』
河合 隼雄 (著), 村上 春樹 (著) 単行本 (1996/12) 岩波書店


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by tamahomishio | 2005-06-01 15:50 | 魂に効く絵本
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